2011年06月20日

140文字の猫

クリボー様が140文字の小説でカエルの事を書いておられたので、猫で考えてみた。

雨が降る。
一日が長い。
いつもの集会にニンゲンが来る時間。
なにか億劫だが、一日行かないと次までが長い。

隻眼のトラが来なくなった。
尾長のクロにやられてからひどく憔悴していたらしい。

クロは俺を気にしているという。
トラの兄いが次の跡目は俺だと予てから公言したからだ。

俺は面倒な事は嫌いだ。

安倍夜郎の「深夜食堂」

人物はシンプルな線だが、背景小道具構図などは相当巧い絵である。
店の外に猫がいるカットを2箇所発見。
堀井憲一郎がメニューを題材にエッセイを書き、コミックスの別冊レシピとして出ている。
ドラマでは小林薫が食堂のマスター役だとか。私のイメージは杉本哲太。

第3夜「猫まんま」より。

時々来る女性で、ごはんに鰹節をかけた猫まんまを注文する客がいる。彼女は売れない演歌歌手(ドラマは田端智子)。マスターの好意により、店でコンサートを開く。

「人生いきあたりばったり」という曲。

路地裏みつけて クネクネ行くのが とっても好きなのよ♪」
お客はそれなりに感動し、皆で食べた猫まんまは旨かった。
常連客の中に作詞家がおり、彼女に詞をプレゼントする。
「まよい猫」という歌である。
恋を忘れたホステスの ひざに抱かれて聞いている むかしの男の愚痴ばなし 夜の新宿 まよい猫♪
この歌は百万枚突破の大ヒットとなるが、彼女は不治の病に冒されていた。

歌手が亡くなり、ある日の事。食堂の前に黒白猫が。

マスターが猫まんまを出してやると、「うまそうに食ってさ、『ニッ』と笑ったんだ。あの娘みたいにね」

…マスターは猫に「おかえり」と言った。

Keep out from raw meet, Cat!

焼肉チェーン店の生肉食中毒事件で食肉卸業者にも責任の一端があるという報道が。
週刊誌にトラックの陰で肉の塊の仕分けをする作業員と、「人の気配がなくなった途端、カラスや野良猫が」
という写真がある。
報道の真相は分からないが、体の大きな人間が焼肉店の生肉で亡くなっているのだ。小さな体の猫が食べるとどうなるのか。
猫ちゃん、そのお店の肉を食べてはいけないよ…

黒仔猫11May20 (2).JPG

一二三11May20 (4).JPG
続きを読む

ニックネーム suziestefan at 15:14| Comment(3) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月15日

黒猫

島木健作の「黒猫」。筑摩書房「動物たちの物語」に収録。
初めて読む作家。札幌の生まれだという。
絶滅せんとする樺太オオヤマネコの描写。
何という孤独であろう! しかしそこには孤独につきまとう侘しげな影は微塵もない。」「後肢を持ち上げて小便を引っかけるに止まったのである! 鉄砲を持った人間などは彼にとってその程度のものにしか値しなかったのである」

オオヤマネコに感動した作者の家の近辺に犬や猫が徘徊していた。彼は犬の事は嫌いらしいが、猫には好感を持っている。
犬と猫とでは犬のほうがひどい。要するに人間に諂って暮らすことに慣れて来たものほど落ちぶれ方がみじめなのである」「そいつの前身は誰も知らなかった。大きい黒い雄猫である」「威厳のある、実に堂々たる顔をしている」
家に侵入して睡眠を妨害する者がいて、黒猫が犯人と目星をつけられた。作家は黒の命乞いをしてみようかとも思ったが、病床の身の上では母親に言い出せなかった。
「人間ならば一国一城のあるじである奴だ」「彼のような奴が棄てられたということは人間の不名誉でさえある。しかも彼は落ちぶれても決して卑屈にならない」

内田百閧フ「ノラや」のような飼い猫に対する愛慕の情ではない。

オオヤマネコを比したこの黒猫の運命は…ぜひご一読を。

動物たちの物語

筑摩書房はテーマ毎に作家の短編を集めて好企画の本を編む。
動物の物語を集めた本を借りた。
日本の作家が動物を主題にすると、悲しい話が多い。
エーメの「ウシ」、Jコリアの「名優ギャヴィン・オリアリ」はユーモアと風刺の効いた作品で、日本人に無いカラリとした感覚。 中堪助の「雁の話」は中島敦の「山月記」を思い出した。
日本人が欧州の話を書くと何かリアリティに欠ける印象があるのだが、中国を題材にすると漢文の原文を翻訳したような印象を受けるのはどうしてだろう。
猫好きになってからは読む本の傾向も変わったが、同じ筑摩でも以前の私ならば手に取らない類の本である。
文人というよりは別の仕事を持った作家もあり、出会えて収穫であった。


伊藤園のCM
中谷美紀が茶白の猫と共演。猫と着物の美女…いいニャ

おみくじ猫
ローカルにて放送。某神社で首輪をつけた黒猫がおみくじの箱に入っていた!箱の横ではグレーぽい猫もいた。
猫のご利益があるかな?

大統領と猫
佐藤優のエッセイと西原理恵子(も猫好き)の漫画のコラボが週刊新潮に連載。
メドベージェフ大統領は猫好きでプーチン首相は犬好きだそうだ。
さすがロシア通で「CREA CAT」に飼い猫と共に登場した佐藤氏。
彼の姉御分、米原万里子女史も猫犬エッセイを出しておられた。

ヒルナンデスに猫カフェ

番組予告をしていたので録画予約。しかし同じ時間帯に裏番組のTBSで田代島の猫のことを放送していたとは、不覚。
震災前に猫たちは逃げたそうである。予知したのであろうか?

森鴎外「雁」

「そしてあの格子戸を開けて、ずっと這入って行ったら、どんな塩梅だろう。お玉の奴め。猫か何かを膝にのっけて、さびしがって待っていやがるだろうなあ。」

Then I’ll slide open that latticework door, step right in−how’s that
for starters?

Otama’s there;she’s all alone with the cat on her lap, waiting for me
to come in.

NHKのJブンガクを見る。

クイズ番組で流暢な日本語で正解連発すキャンベル氏の英訳は見事。
夢野久作の翻訳は書店でも見た事が無いのでありがたい。
森鴎外には特に興味が無かったが、読みたくなった。


ジロー10Aug25 (3).JPG


JiroSportsNPaper10Oct24 (2).JPG

Jiro09Nov12 (1).JPG

↓漱石の「猫の墓」

猫と「猫の墓」11May27.JPG

黒白と小説11June10.JPG 


ニックネーム suziestefan at 15:02| Comment(2) | 猫を題材にした書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月13日

法医学と猫

「法医学教室の事件ファイル」
TV欄で「猫の噛み傷」とある。番組途中から見たので良く分からない部分も。浅見光彦だった役者が犯人役。
高等遊民的な「公園で野良猫と音楽を聴き、絵を描いてステーキランチ」という優雅な男性を榎木孝明が演じた。
「家族が自分を理解しない」という彼の言い分は「妻も私の可愛がっていた猫を捨てた」と。この場面で茶トラの猫が彼の膝に乗っていた。
榎木氏の水彩画展示会を鑑賞したことがある。その時は風景画で猫の絵は無かったが、絵心があるという設定が彼らしい。猫と公園で、というのは彼のアイデアだろうか?
逮捕される公園で「私が来なくなったらこの猫は…」という最期のセリフを勝手に想像したが、そんな演出はなくてガッカリ。勿論、ドラマの中でのことであるしタレント猫だろうから猫のその後を心配する理屈もないのだが。

猫と大女優
英国で実際に起きた女教師と生徒の不倫事件を基にした映画。「あるスキャンダルの覚え書き 」(Notes on a Scandal)
近年、似たような事件が米国でもあったが。K・ブランシェットは夫と子供もいる魅力的な中学校教師
J・デンチは独身のベテラン教師。同性愛の嗜好があり、以前若い女性とのトラブルがあったようだ。
シバは男子生徒と恋に落ち、逢瀬を重ねる。秘密を知るバーバラは誰にも言わないが日記には記していた。
バーバラの猫が不治の病で医師に安楽死を勧められる。
最期の瞬間につきそうか、と聞かれ泣きながらVetを出る。シバの家に向かい、猫と自分に付き添って欲しいと頼む。シバは家族と外出する折であった。彼女の夫は「妻を放っておいてくれ。Pussy(猫、と女性に対する罵倒をかけている?)が何だ」と怒鳴る。
次の場面でバーバラは庭に猫と写真立てを埋めている。
同僚の男性が訪ねて来る。「猫は?」「死んだわ」…テーブルの上には白い陶器の猫。猫の本の上には土のついたスコップが置いてある。
彼女はシバと男子生徒の情事を同僚に打ち明ける…友情も葬るのか。

2人の女優は共にエリザベス女王を演じたことがある。
家族を優先して友人の飼い猫の死を軽んじたことでOld Maidの怒りが爆発、とは。演出だろうか。

長毛の美しい猫であった。

猫の踊

ちくま文学の森「動物たちの物語」に収録。
森銑三の「猫が物いう話/猫の踊」
知らない作家であった。経歴を見ると作家というよりは学者のようだ。 
物をいう猫の話が3つ。そのうち2つは悲しい結末である。
「猫の踊」が一番面白い。
松平家の岩瀬作左衛門の家で倅が刺身を作っていた。飼い猫が刺身に手を伸ばそうとする。
倅が「これ」と包丁の柄で軽く頭を叩いた。すると猫が澄んだはっきりとした声で「いたい」といった。
他にもその猫には不思議なことがあった。
二、三十匹の猫たちが天神様で輪になって踊っている場面。
そして倅の取った行動は。
猫たちが「作左がおらいで、おもしろない。作左がおらいで、おもしろない。」という歌が悲しい。
主人にちなんだ名前をつけられていたのか、猫は。
作者は倅の感情表現を単に「どうも唯事ではないように思われた」と書いており、その後の行動でどうやら気味悪く思ってはいるらしいと読む側としては推測するのみである。





ニックネーム suziestefan at 14:00| Comment(2) | 猫番組、映画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする