2011年06月15日

黒猫

島木健作の「黒猫」。筑摩書房「動物たちの物語」に収録。
初めて読む作家。札幌の生まれだという。
絶滅せんとする樺太オオヤマネコの描写。
何という孤独であろう! しかしそこには孤独につきまとう侘しげな影は微塵もない。」「後肢を持ち上げて小便を引っかけるに止まったのである! 鉄砲を持った人間などは彼にとってその程度のものにしか値しなかったのである」

オオヤマネコに感動した作者の家の近辺に犬や猫が徘徊していた。彼は犬の事は嫌いらしいが、猫には好感を持っている。
犬と猫とでは犬のほうがひどい。要するに人間に諂って暮らすことに慣れて来たものほど落ちぶれ方がみじめなのである」「そいつの前身は誰も知らなかった。大きい黒い雄猫である」「威厳のある、実に堂々たる顔をしている」
家に侵入して睡眠を妨害する者がいて、黒猫が犯人と目星をつけられた。作家は黒の命乞いをしてみようかとも思ったが、病床の身の上では母親に言い出せなかった。
「人間ならば一国一城のあるじである奴だ」「彼のような奴が棄てられたということは人間の不名誉でさえある。しかも彼は落ちぶれても決して卑屈にならない」

内田百閧フ「ノラや」のような飼い猫に対する愛慕の情ではない。

オオヤマネコを比したこの黒猫の運命は…ぜひご一読を。

動物たちの物語

筑摩書房はテーマ毎に作家の短編を集めて好企画の本を編む。
動物の物語を集めた本を借りた。
日本の作家が動物を主題にすると、悲しい話が多い。
エーメの「ウシ」、Jコリアの「名優ギャヴィン・オリアリ」はユーモアと風刺の効いた作品で、日本人に無いカラリとした感覚。 中堪助の「雁の話」は中島敦の「山月記」を思い出した。
日本人が欧州の話を書くと何かリアリティに欠ける印象があるのだが、中国を題材にすると漢文の原文を翻訳したような印象を受けるのはどうしてだろう。
猫好きになってからは読む本の傾向も変わったが、同じ筑摩でも以前の私ならば手に取らない類の本である。
文人というよりは別の仕事を持った作家もあり、出会えて収穫であった。


伊藤園のCM
中谷美紀が茶白の猫と共演。猫と着物の美女…いいニャ

おみくじ猫
ローカルにて放送。某神社で首輪をつけた黒猫がおみくじの箱に入っていた!箱の横ではグレーぽい猫もいた。
猫のご利益があるかな?

大統領と猫
佐藤優のエッセイと西原理恵子(も猫好き)の漫画のコラボが週刊新潮に連載。
メドベージェフ大統領は猫好きでプーチン首相は犬好きだそうだ。
さすがロシア通で「CREA CAT」に飼い猫と共に登場した佐藤氏。
彼の姉御分、米原万里子女史も猫犬エッセイを出しておられた。

ヒルナンデスに猫カフェ

番組予告をしていたので録画予約。しかし同じ時間帯に裏番組のTBSで田代島の猫のことを放送していたとは、不覚。
震災前に猫たちは逃げたそうである。予知したのであろうか?

森鴎外「雁」

「そしてあの格子戸を開けて、ずっと這入って行ったら、どんな塩梅だろう。お玉の奴め。猫か何かを膝にのっけて、さびしがって待っていやがるだろうなあ。」

Then I’ll slide open that latticework door, step right in−how’s that
for starters?

Otama’s there;she’s all alone with the cat on her lap, waiting for me
to come in.

NHKのJブンガクを見る。

クイズ番組で流暢な日本語で正解連発すキャンベル氏の英訳は見事。
夢野久作の翻訳は書店でも見た事が無いのでありがたい。
森鴎外には特に興味が無かったが、読みたくなった。


ジロー10Aug25 (3).JPG


JiroSportsNPaper10Oct24 (2).JPG

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↓漱石の「猫の墓」

猫と「猫の墓」11May27.JPG

黒白と小説11June10.JPG 


ニックネーム suziestefan at 15:02| Comment(2) | 猫を題材にした書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする