2011年07月22日

猫の親子

中勘助の「猫の親子」
近所の飼い猫の三毛母子が作家の家に遊びに来る。本名を知らぬまま、母は小町、娘はおつぐと呼ばれる。共に器量がよい。赤蜻蛉を狙おうとする「みやびやかな姿と軽快な跳躍ぶりじっと身構えて三、四尺もとびあがり、拝むように両手を合わせてつかまえようとする」「小町は 今度こそとってみせましょうかというようにちらりと私たちに目くばせして−実は警戒心だろう。−何度でも同じ殺生をくりかえす

「あまり立派な」母猫のために一向目につかなかったおつぐもやがて「千斤の錘」のごとく、作者にとって「なかなかの代物」になってゆく。子供のうちは反応しなかったマタタビにも娘ざかりのうちに「ひっくり返って包み紙に頸をこすりつけた」
「猫にマタタビとはまさにこれ!」「さあそれからは雉子がくる、虎がくる、烏猫がくる、白がくるというあんばいで庭はきれ地の見本を並べたみたいになった」「娘一人に婿八人だから無理もない」
やがて小さな雉猫とあがってくるようになる。
私の膝一杯に寝そべり」「子供の全身を歯で掻いたりなめたりしてやり」「海鼠みたいにくっつきあってぐっすり寝込んで」「彼らの眠りを妨げないように」「書きにくい筆を進めるのであった

勘助の「犬」は犬好きの人がうっかり読んだら衝撃的な内容かもしれない。

中島敦「山月記」を男女の愛憎版にした…といったら乱暴すぎるか。
芥川龍之介、内田百閨A中勘助。ともに漱石の弟子で猫を描いた作品がある。
「我輩の弟子も猫を描く」といったところか。

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ニックネーム suziestefan at 16:18| Comment(2) | 猫を題材にした書籍 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする